空港の保安検査で何をするか(流れ・締切時刻・罰則)
この記事の要点
- 保安検査の受検は2022年3月10日から法律上の義務。改正航空法により旅客等に対する保安検査・預入手荷物検査の受検が義務付けられた
- 受けずに制限区域へ入ると1年以下の懲役または50万円以下の罰金、機内持込制限品を持ち込んだ場合は2年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となる
- 国内線の検査場の締切はJAL・ANAとも出発20分前。搭乗口へは10分前まで。ANAは2019年10月27日に15分前から20分前へ変更している
はじめに
当記事は、空港の保安検査そのもの——いつまでに通ればよいか、何が行われるか、守らなかった場合に何が起きるか——を整理したものである。何を持ち込めるかという品目ごとの話は、液体物・モバイルバッテリー・手荷物サイズの各記事に分けてある。
保安検査は「空港の慣習」ではなく法律に根拠のある手続きであり、違反には刑事罰が定められている。この点が知られていないまま、検査場で慌てる場面が生じやすい。当記事では公的機関と各航空会社が公表している内容のみを扱い、確認時点を明記する。
保安検査は法律上の義務になっている
航空保安に関する航空法等の一部改正が令和3年6月11日に公布され、令和4年(2022年)3月10日に施行された。この改正により、旅客等に対する保安検査の受検が義務付けられている。
国土交通省は、保安検査を受けないと航空機に搭乗することはできないと明示している。罰則は次のとおり定められている。
| 行為 | 罰則 |
|---|---|
| 保安検査を受けずに危険物等所持制限区域へ立ち入る | 1年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
| 機内持込制限品を航空機内へ持ち込む | 2年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
出典:国土交通省「航空機搭乗前の保安検査を受けるにあたっての注意事項について」
制限品を持ち込んだ場合の罰則のほうが重い点は押さえておきたい。検査場で申告せずに通そうとするより、その場で出したほうが結果として軽く済む。
検査で何が行われるか
国土交通省によれば、保安検査では機器を活用した検査に加えて、着衣の上から直接触れる接触検査などが実施される。金属探知機を通るだけで終わるとは限らない、ということである。
検査の方法や範囲は保安検査員が判断し、旅客はその指示に従う必要がある。追加の検査を求められること自体は異常ではなく、拒否すれば制限区域に入れない。
締切時刻は「搭乗時刻」ではない
見落とされやすいのが、締切が搭乗開始ではなく保安検査場の通過を基準にしている点である。国内線の場合は次のとおり。
| 区分 | 期限 |
|---|---|
| 保安検査場の通過 | 出発時刻の20分前まで(JAL・ANA) |
| 搭乗口への到着 | 出発時刻の10分前まで |
ANAは2019年10月27日から、全国内空港(国内線)の保安検査場の締め切り時刻を出発の15分前から20分前へ変更している。以前の感覚のままでいると5分足りない。
出典:JAL「国内線 ご搭乗のお客さまへのお願い」/ANA「全国内空港(国内線)保安検査場締め切り時刻の変更について」
締切は「その時刻までに列に並べばよい」ではなく通過を指す。手荷物を預ける必要がある場合はさらに前の時刻に別の締切があり、空港や便によって異なる。利用する空港のページで確認しておきたい。
引っかかりやすいものは荷造りの段階で分ける
検査場で時間を失う原因の多くは、持ち込みの可否が分かれる品目を手荷物の奥に入れていることである。品目ごとの条件は変更が多く、国内線と国際線でも異なるため、当記事では条件を再掲せず、それぞれの記事に分けてある。
- 液体物は国際線に固有の制限がある。国土交通省が国際線の液体物持込制限について別に案内を出している
- モバイルバッテリーは預け入れができず、個数と容量に条件がある
- 手荷物そのものの寸法・重量は航空会社ごとに条件が違う
いずれも荷造りの時点で「機内に持つもの」「預けるもの」「持っていかないもの」に分けておけば、検査場で開ける必要がなくなる。
保安検査の前に確認しておきたいこと
- 利用する空港の保安検査場の締切時刻を確認した(出発20分前が目安)
- 手荷物を預ける場合、その締切時刻も別にあることを確認した
- 液体物・モバイルバッテリーを、手荷物の取り出しやすい位置にまとめた
- 機内に持ち込めないものを、預入手荷物か自宅に分けた
- 国際線の場合、国内線とは条件が違う項目を確認した
関連情報
出典・データ
- 国土交通省「航空機搭乗前の保安検査を受けるにあたっての注意事項について」— 受検義務・罰則・検査方法
- 国土交通省「航空保安に関する航空法等一部改正の施行について」— 改正法の公布日(令和3年6月11日)と施行日(令和4年3月10日)
- 日本航空「国内線 ご搭乗のお客さまへのお願い」— 保安検査場および搭乗口の期限
- 全日本空輸「全国内空港(国内線)保安検査場締め切り時刻の変更について」— 2019年10月27日の変更内容
2026年9月時点で確認した内容である。保安検査の運用と各社の締切時刻は変更されることがあるため、搭乗前に利用する航空会社と空港の公式情報を確認されたい。
よくある質問
保安検査を受けないと搭乗できませんか
搭乗できない。2022年3月10日施行の改正航空法により、旅客等に対する保安検査の受検が義務付けられた。国土交通省は「保安検査を受けないと航空機に搭乗することはできません」と明示しており、保安検査を受けずに危険物等所持制限区域へ立ち入った場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象となる。
国内線は出発の何分前までに保安検査場を通過すればよいですか
JAL・ANAとも国内線は出発時刻の20分前を通過の締切としている。ANAは2019年10月27日に全国内空港で15分前から20分前へ変更した。搭乗口へは出発時刻の10分前までに到着する必要がある。空港や時間帯によって混雑の度合いが変わるため、締切ちょうどではなく余裕を見て向かうほうが確実である。
保安検査ではどのような検査を受けますか
国土交通省によると、機器を活用した検査に加えて、着衣の上から直接触れる接触検査などが実施される。検査の方法や範囲は保安検査員の指示に従う必要がある。
うっかり持ち込んでしまった場合はどうなりますか
機内持込制限品を航空機内へ持ち込んだ場合、2年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となる。検査場で見つかった段階であれば、その場で放棄するか、預入手荷物に回すなどの対応を求められる。出発直前に気付くと時間を失うため、荷造りの段階で分けておくほうが安全である。
国際線と国内線で制限は同じですか
同じではない。液体物の扱いが代表例で、国際線には国内線に無い持ち込み制限がある。国土交通省は国際線の液体物持込制限について別に案内を出しているため、国際線を利用する場合は国内線の感覚のまま準備しないほうがよい。
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